252日目 挨拶してるんだけど!と怒り、ごめんねを言わない(2021/10/09)
ガーナでは挨拶がとても大切だ。
日本だって挨拶をしたほうがいいに決まっているが、それと比じゃないくらいの頻度で挨拶をする。
電話がかかってきて用件を聞くと
「挨拶したかっただけだよー。」
なんてこともある。
同僚がひっきりなしに誰かに電話しているなと思って耳を傾けていると、実はただ挨拶して元気か聞くだけの会話に終始していることも少なくない。
だから普段から極力みんなに挨拶しようと思ってはいるものの、遠くの方からも声をかけられるし、道端で出会う人たちもたくさんいるので気づかないことも多々ある。
道端で挨拶をしたのに気づかずに返事をしないと
「私、挨拶したんだけど!」
と言われたり、
「こないだ見かけて挨拶したけど、気づいてくれなかった。」
と後日に言われてしまって、タジタジしてしまう。
逆に、挨拶を習慣的に交わすようになった人たちは、1週間で会わないだけで「長らく会ってないね!元気にしてた??」と聞いてくれるので、なんだかあったかい気持ちになる。
一方で、何かをした時に「ありがとう。」を言う頻度は少ない。
「ありがとう」よりもっと少ないのが「ごめんね。」だ。
ガーナ人が少ないというより、日本人がお礼や謝罪をきっちりする文化なのかなと思った。
私が「ごめんね」と言うと、「なんで今謝ったの?」と聞かれてしまうこともある。
どうして挨拶がそんなに大切なのか自分なりに考えてみた結果、
「笑顔で挨拶をすることは、自分はあなたの敵じゃないですよ。」
ということを示す格好の手段なんじゃないかという結論に至った。
ガーナにはいろんな部族がいて、日本の戦国時代のように部族間で戦っていた歴史があるし、今も共通言語の英語やTwi語はあるものの、日常生活はそれぞれの部族語を使用している。
そんな中で、挨拶を交わすことは、友好関係を示す第一歩として、とても大切にされているんじゃないかと思った。
そう考えるようになってから、道端で視線を感じると自分から「Good morning!」と声をかけるようにしているし、そうすると大体の人達は警戒が少し解けたような笑顔で挨拶を返してくれる。
私がよくいる同僚たちはキリスト教だが、イスラム教のスタッフに会うと「アッサラームアライクム」とイスラム教の挨拶フレーズを使う。
日本語を覚えて「おはよー!」と声をかけてくれる人たちもいる。
そんな風に相手の言語や文化を尊重した挨拶ってシンプルに素敵で、見習いたいなあと思う。