251日目 「奴隷貿易」という歴史(2021/10/08)
「歴史」というのは一次情報で見ることができないから、なんだか受け取り方が難しいなと思ってしまう。
子供の頃に邪馬台国の場所が諸説あることを知って、
「一生懸命暗記しても、それが変わるなら覚える意味ないな。」
と、歴史が嫌いになってしまった記憶がある。
歴史の勉強を避けるために
「過去を見ずに未来を見たい」
なんて言ってたけれど、友人に教えてもらった
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
というオットービスマルクさんの言葉の通り、歴史を学ぶ大切さを大人になってからひしひしと感じるようになった。
(私は経験も大切だと思う)
ガーナといえば最初に思いつくのが「チョコレート」次が「奴隷貿易の歴史」ではないだろうか。
というか、私はそうだった。
歴史の授業に不真面目だった私の記憶では、なんとなく「白人がヨーロッパからアフリカ大陸にやって来て、ヨーロッパやアメリカに連れて行き、非人道的な強制労働をさせた」
くらいのイメージだった。
奴隷貿易の拠点の1つとなっていたケープコーストを訪れることができたこともあり、少し学び直してみることにした。
TEDで学ぶ奴隷貿易
この動画が分かりやすかった。
以前に街中のバス乗り場で同僚を待っている時、不良風の中学生たちが絡んできた。
イキリたい気持ちに反して、まだまだあどけなさが残る感じが可愛らしい。
ズボンを少し引っ張れば全部落ちてしまいそうなほど、腰パンしている。
田舎の若者はどこの国も変わらないんだなと思いながら眺めていると
「何してるの?」
「読んでる本を音読してみてよ!」
「ダンスは踊れる?」
「物騒な人もいるから気をつけろよ!」
「ここにいる間は守ってやるよ!」
「ガーナ紙幣に描かれてる人知ってる?」
と口々に次から次へと話しかけくれる。
まだ朝の7時半なのに、元気いっぱい。
そこで
「ガーナ紙幣に描かれてる人知ってる?」
という会話から、奴隷貿易の話が話題になって
「僕たちのおじいさんの時は、今みたいに教育がなかったから騙されたんだ。騙された偉い人が、異国の物と引き換えに人を引き渡したんだ。だから騙されないように僕たちは学校で勉強するんだ。」
と話していて、なるほどそうゆう解釈をしてるんだな、と思った。
【ケープコースト城】
その後の植民地支配を経て、ガーナが独立したのは1957年3月6日。
今働いている同僚たちは独立して少し経ったくらいの生まれだし、街中で出会うおじいちゃんおばあちゃんは植民地時代を知っている世代なんだなーとふと思う。
悲しい歴史を学ぶ度に
「なんでそんなに残酷なことができたんだろう。」
と思っていたけれど、実は当たり前のようにそんな風に思う人権意識の心が今の私に育まれているのは、悲しい歴史を繰り返さないためにと動き続けてきた人たちの教育の賜物なのかな、なんて考えた。