国際保健 ガーナ300日生活

国際保健 ガーナ 300日生活

学校保健 in Ghana🇬🇭

114日目 避けられない「1セディちょうだい。」(2021/5/24)

 

 

 

たまに言われる「1セディちょーだい。」

 

 

 

オブロニでお金持ってるんだから当然と言わんばかりの顔で言われる一言。

 

 

 

 

学校の子供とか、職場で働く同僚とか、道端で初めて会う人とか。

 

 

 

「なんで?」

と聞くとだいたい

 

 

「お腹すいたから食べ物食べたい。」

と言われる。

 

 

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大学生の時、国際保健の講義で 

 

「途上国に住んでいる。子供が寄ってきてお金をちょーだいと言ったとしよう。あなたはお金を渡しますか?」

 

先生から生徒の私たちに質問があった。

 

 

 

その時の講義を受けていたほぼ多くの生徒が

「渡さない」に手を挙げた。

 

私も迷わず「渡さない」に手を挙げた。

 

 

 

 

 

 

途上国には物乞いビジネスがあるし、お金を渡されやすくするために、あえて傷つけられる人たちがいる。

 

 

 

それに、物をもらうことに慣れて依存してしまうのもよくない。

 

 

 

 

 

 

旅行中や首都にいるときは、「お金ちょーだい」という人1人あたりに関わる時間も短くて、バックグラウンドもわからないから渡さないスタンスを決め込む。

 

 

 

ひどいようだけど、無視する。

 

 

 

 

 

さて、任地の普段から関わる人たちに言われるのはどうしようー。

 

 

 

 

 

 

そういえば子供が学校の校長先生に

1セディちょーだい」

を言いに来てた学校があったな、と思い出す。

 

 

 

校長先生に聞くと、

「お金が足りなくて、ご飯食べてない子はここに来て、仕方のない理由なら、ご飯代をあげるようにしている」とのこと。

 

 

 

 

ということで、「1セディちょーだい」はオブロニだけにいう言葉では無いみたい。

 

 

 

 

私より稼いでる歳上の同僚やマダムは私にご飯を頻繁に奢ってくれるし、持ちつ持たれつな感じが日本より強いだけなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

結論から言うと

「おなかが空いたから1セディちょーだい」

という人には、(本当にお腹がすいていて困ってそうなら)1-2セディ分の極力栄養がありそうなご飯をあげることにした。

 

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2セディ(40円)で1食分は食べられる。

 

 

 

 

 

 

自分の中で、どうしたらいいかの基準がまだ不完全たけど、もうだんだん考えるのがめんどくさくなってきて、目の前にお腹がすいてる人に会っちゃったんだから、その時のお腹がいっぱいになるくらいはいいや、と一旦結論づけることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

少し前に、自分のいつもの行動範囲から少し離れた田舎まで行ってみた。

すると、道端の少年が「1セディちょーだい。」と言って来た。

 

明らかに服がぼろぼろでエネルギー切れの顔してて、お腹がすいてる様子。

 

 

 

ケバブ屋さんしかなかったので、ケバブを焼いてもらうのを待っていると、その間に拾った誰かの食べ残しを食べ始めてしまった。

 

 

焼けたケバブもすぐ完食。

 

本当にお腹すいてたんやね、と思う。

 

 

 

 

 

 

学生時代に講演会で、太平洋戦争後の日本の戦争孤児で子供の時の話をし来てくれたおじいちゃんが

 

 

「すごくお腹がすいてて、物乞いをするしかなかった。

その時に、お金をくれた人にありがとうなんて思わなかった。

見下しやがって。お腹がすいてるのはお前らのせいだからな。

絶対に見返してやる、って思いながらお金をもらった。」

 

って言ってたのを、なんとなく思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

きっと少年も「ありがとう」なんて思ってないんだろうな。

思ってるかもしれないけど、思う必要ないよ、と思った。

子供の君がお腹がすいた時に、食べれる食べ物がない世の中が間違ってるんだから。

 

 

 

 

 

なんだか取り留めもない長い文章をだらだら書いてしまった。

 

 

 

 

正直、世の中のそういった歪みは社会に出てたかだか5年目の私のせいでもないかなと思う。

 

ただ、自分が60歳、70歳になった時に、今より状況が良くなっているように、自分ができる範囲のことを頑張りたい。

(正直まだまだ何もできてなくて、学ぶことばっかりだけど)

 

 

 

そして、身近で頑張ってるガーナ人達を見ていると、ガーナの未来が楽しみだなと思うし、一緒に仕事できるのがシンプルに嬉しいな、と思う。