国際保健 ガーナ300日生活

国際保健 ガーナ 300日生活

学校保健 in Ghana🇬🇭

287日目 ガーナの病院に行ってみたら?(2021/11/13)

 

 

 

2日間同僚と音信不通だったので、電話をしてみると体調が悪いという。

 

家を訪れてみると、想像していたよりも明らかに同僚は体調が悪そう。

 

看護師の時にこんな症状の患者さんいたなーこれはきっとあれかもしれない....みたいな症状もあったので、すぐ病院に行った方がいいんじゃない?と言うと首都にいる息子が帰ってきたら行くと言う。

 

けれどいつ帰って来れるかわからない。

 

私がついて行くから行こうよ、と病院にやってきた。

 

 

私の住む場所はある程度の「街」

けれど病院行きのタクシーを捕まえるのに家の前で待つこと30分。

病院に辿り着くまでに車で15分。

病院到着してから診察まで4時間。

 

日本の病院の待ち時間の長さに負けず劣らず。

 

待ってる間に大雨が降ってきて、雨漏りと雨の吹き込みで病院内はびちょびちょ。

 

たびたび停電になっては自家発電が作動するのか、回復する。

 

停電になるたびにファンが止まり、蒸し暑さに拍車がかかる。

 

待合室の鉄のベンチに座り続け、お尻が痛くなってくる。

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【前に他の地域のワークショップで作った臓器Tシャツを私も作りたい!と真似して作ってくれた理科担当のスタッフ】

 

健康体の私でもクタクタ。

 

同僚も隣でしんどそうにベンチに横たわっている。

 

 

病院に連れてくるべきじゃなかったのかな...家で休んでいた方が良かったのかなと不安になる。

 

けれど、私の予想が当たっていれば抗菌薬が必要だし、それなしには治らない。

 

もっと悪くなる可能性だってある。

 

 

診察後、私が想像した通りの診断だったらしく、入院した方がいいね、とお医者さんに言われたとのこと。

 

そうですよね

 

 

ただ、一人暮らしで準備できないし月曜に入院するという。

 

この3日間不安すぎるでしょ...

 

飲み薬がとりあえず効くのを願うしかない。

 

日本の病院であれば、とりあえず入院に必要なものは全部病院内で買えるけれどそういうわけにもいかない。

 

 

診察後に「お医者さんに受けてね」と指示された採血を待つこと2時間。

 

 

同僚は自分が体調悪いのにもか変わらず、私にお腹すいてないか?と度々気遣ってくれる。

 

無事に検査を受けそれから結果を待つこと1時間。

お金を払った分の点滴を看護師が買いに行ってくれることになった。

 

お金を先払いする制度なので、診察や検査の度にお金を払わなきゃいけない。

 

 

詳細には書かないけれど、医療の質の悪さに終始イライラしてしまった。

 

ここでの医療が十分ではないことは、重々分かっていたつもり。

 

だけど、自分の大切な人がいざ医療を受けるとなると、不安でたまらなくなる。

 

なんでその手技なのか。

なんでその処方なのか。

 

と、自分と同業の人達だからこそ、突っ込むところが多すぎて見ていられない気持ちになった。

 

 

同僚の家に帰宅して薬の種類を調べてみると、明らかに必要がなさそうな薬が混じっているし、必要そうなものが足りない。

 

でも、私は看護師だし、医者が処方した薬を勝手に中断させたり、日本の市販薬を渡すのはよくないよな....といろいろ考えるも、とりあえず目の前で実際に薬の影響でしんどがっている同僚を放っておく気にもなれない。

 

 

とりあえず、看護師としてじゃなくあなたの家族としてのアドバイスと思ってねと伝えて薬の効果なんかを話すと、病院より私を信じると言われ、私の伝えた通りに薬を飲むことになった。

 

 

 

こんなに身近に医療の問題が明確にたくさんあるのが目に見えて分かったのに、病院は所属機関とは全く関係のない場所だし、何もできない自分になんだか悲しい気持ちになった。

 

 

私がここにまた、ボランティアとして病院派遣で戻ってきてもきっと彼らの医療は何も変えられないだろうな、と思う。

 

 

立場がモノを言うガーナでは、若いボランティアという立場では、きっと変えられない。

 

もっと経験と知識と肩書きが必要だ。

 

 

 

全部、まだまだ全然足りない。

 

でも自分がどの方向に向かって頑張れば良いのか、今のところ答えが出ていなくて悶々とする。

 

 

 

 

翌日お見舞いに行くと、薬のおかげで随分良くなった同僚に会うことができた。

 

入院もしなくてよくなりそうなくらいの回復具合。

 

目に見えて良くなった同僚にいつもの元気と笑顔が戻った姿を見ることができて、やっぱり私は医療が好きだなと思った。