128日 魚をあげるのでなく魚の釣り方を教え、動物の捕まえ方を学ぶ。(2021/6/7)
日本で国際協力の勉強をしている時によく聞いた言葉。
「魚をあげるのではなく(単なる物の支援でなく)、釣り方を教える(技術を教える)。」
というもの。
それってスマホを持つ人が増えた現在、私が持ってる知識程度はグーグル検索でだいぶとカバーできるんじゃないの….?
なんて最近思うようになってきてしまった。
確かに貧しい村はスマホを持っている人がほぼいないかもしれないけど、今後格安モデルや中古がもっと出回れば、きっとあと何年か経てば、村でもスマホが大活躍してるんじゃないかなあ。
技術の進歩が人に与える影響はすごいし、いろんな人がいろんな情報にアクセスしやすくなるのが良い方向に向かうといいなー。
と思いつつ、私が今活動としてできることとは…という悩み…。
協力隊の活動は、基本的に予算がないので、技術支援(且つ、派遣されている本人の学び)がメインになると思う。
元々は「自分の身を自分で守るための保健知識の向上」みたいなところをやりたくてJICA協力隊の制度を使ってガーナに来たけど、私の職場はある程度学歴や地位がある人たちだから情報はスマホで簡単に手に入るし、何ならみんな英語で検索するから日本語で検索するより情報量多いだろうし。
加えて、この1年くらいのコロナ騒動は私にとって衝撃的だった。
基本的に「自分の身を守るための保健知識の向上」に関する活動を実施して、その後「自分の身を守るように行動するかどうか」は個人の選択だと思っている。
例えば、糖尿病の人に食事指導した時に「俺は早死にしてもいいから食いたいもの食いたいんだよ。」という人みたいに。
うまいナッジがあれば最高だけど。
ただ、「自分の身を守るための正しい保健知識」を得れば、ある程度はそれに沿った行動をすると思っていた自分の中での前提が良くも悪くもコロナで大きく崩れた気がする。
その辺は帰国したらもう少し詳しく学ぶとして、今の活動はどう進めようかな。
なんて思っていたら、最近私が学校にいることに慣れてきた先生や生徒が健康面での相談をしに来てくれるようになった。
「転んだ時にできた傷、すごく痛いけどどうしたらいいかな?」
(膿んでる…)
「頭をひどくぶつけた生徒、どうしたらいい?」
(ちなみに先生はコインでぶつけた部分を擦っていた….。おまじない?)
などなど。
加えて先日に月経に関する授業をしたこともあって、女の子が女子特有の悩みや疑問をそっと相談しにきてくれるようになった。
そうか。
正しい知識を知ろうとするきっかけを作る、間違ってることを間違ってるよと伝えることならできるかな、と思い始めた。
さて、活動のみならずガーナの生活全体を例えるなら、
「魚をあげるのでなく魚の釣り方を教え、動物の捕まえ方を学ぶ。」
という感じだなと思う。
私が与える魚より大きい動物をガーナ人達からもらう。
自分が活動で教えたり提案することと、全く違った角度の私にとっての新しい学びをガーナ人達からもらう毎日です。