283日目 マダムの商売魂と先生の終わりなき戦い(2021/11/09)
暑いー。乾季がやって来た。
電気も水道も昨日からずっと止まっている。
暑くてたまらない…。
そろそろ復活してくれないと、パソコンも冷蔵庫の中身もお亡くなりになりそう。
今日は巡回に行く、集合場所は当日伝えると言われて朝5時半から起きて準備したけれど、連絡なく。
今日は巡回なしね、と一言連絡もらえれば、外にも出られるのにな、と思いつつ。
夜になって気がついたけれど、CPのスマホの充電は半日くらいしか持たないので、きっと連絡する前に充電が切れてしまったんだろうから、きっと停電が回復するまで音信不通だ...。
まあ、今度の授業の教材も作りたいし、最終プレゼンも作らなきゃいけないし…と、待ちながらパワポを作り始めるも、とりあえず家の中が暑い。
気温29度、体感温度36度。
せっかく家にいるなら洗濯したいのに水が出ない…。
さて、最近の活動はというと、学校巡回がメイン。
保健担当教員研修のその後の様子の確認や研修に参加していなかった学校には研修の時の配布物を渡している。
また、コロナの予防ルールを守れているか、校内は衛生的か、購買のマダムが販売許可証を持っていて学校で販売許可をしているものをちゃんと販売しているか、などを見て回っている。
その購買のマダムと先生達が終わりなき戦いを繰り広げている。
【休みの日の購買の一角】
日本の学校には柵があり、部外者の人が頻繁に出入りすることはないのが一般的。
一方で、ガーナの多くの小中学校の周囲には柵がなく、どこからでも入ったり出たりできる。
そのため、頭上にものを乗せていろんなものを販売しているマダムたちがふらっとやってきて、学校での販売が禁止されている冷たいお菓子なんかを販売してしまう。
加えて、学校内の販売許可を得て販売しているマダムもご飯とともにアイスクリームやそぼろなど冷たいものを売っているのもよく見かける。
なぜ冷たいものがよくないかというと、自家製のお菓子なので調理過程でハエが入っても手で退けるだけだったりと不衛生でお腹を壊すリスクがあるのに加え、甘いものばかり食べて子供が栄養あるものを食べなくなってしまうかららしい。
学校の先生がきちんと取り締まろうとしている学校は多いが、マダム達もあの手この手で理由をつけて販売を続けようとする。
「学校で販売しているんじゃなくて、たまたま学校の敷地近くにある自分の家の前で販売してるのよ。自分の家の前でものを売るのに文句言われなきゃいけないの?」
「学校に売りに来たんじゃないわ。たまたま通りかかったのよ。」
などなど、いろんな理由づけをする上、宗教施設のバックアップがある学校などは大元の施設の権力者の権力が強いので、下手に文句を言えない場合もあるらしい。
最初は
「マダムも子供への影響を伝えればわかってくれるんじゃないか?」
と甘い考えを抱いていたが、手強い…。
子供時代に教育を十分に受ける機会がなかったというのは、こういう形で現れるんだなと見ていて思う。
それに、冷たいお菓子は子供達に人気でよく売れるので、利益だけを考えると売りたくなる気持ちは理解できる。
年功序列が日本並みかそれ以上に強いガーナでは、私は口出しせず、CPが指導して回るのを眺めている。
何かいい解決策はないのかな。
世代交代を待つしかないのかな。
私にできることは、ダイレクター(この地区の学校関連のボス)に最終プレゼンの時に「こんな問題があるよ!」ってアピールすることなのかな。