国際保健 ガーナ300日生活

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学校保健 in Ghana🇬🇭

259日目 活動報告【18】保健担当教員研修の企画③(2021/10/16)

 

 

 

この2週間、学校巡回と授業準備の合間を縫って準備を進めてきた。

 

 

自分が中心となって何かの研修を執り行うのは人生で初めてなので、とりあえず今まで参加した研修の見よう見まねで準備してみる。

 

 

研修の講師はCPに実施してもらう予定なので、内容や進め方、各種手配などをこまめに相談して進める。

 

 

資料やアンケートを作って持っていき、保健担当教員たちに伝えておきたい情報やアンケートで聞きたい情報など、研修内容を擦り合わせていく。

 

 

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その中で、

 

・プログラムの時間を記載しておくと「時間通りに進んでない!」とクレームが出るので時間は記載しない方が良い。

 

・お昼ご飯の後は格段に集中力が下がるので、一番大事な講義は朝一に実施する。

 

など、CPが今まで実施した数々の研修で培ったガーナの研修開催ならでは知恵を学んで取り入れる。

 

 

 

私としては、

・今回の研修で伝えたことを各学校の校長先生にも共有してもらいたい

・保健担当教員が入れ替わった際にも引き継いでもらいたい

と思っているので、せめても配布資料をラミネート加工をすることにした。

(みんなすぐにプリントをぐちゃぐちゃにしてしまいがちなので

 

 

と、言ったものは良いものの、11枚アイロンでくっつけていくので、実際に始めてみるとものすごく時間がかかる….

 

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まあそれはコツコツ頑張れば完成に向かうので良いとして、問題なのは製作途中でプリンターが故障した….

 

しかも全色のインクを補充した直後に

 

 

正確には故障じゃなくて、プリンターのインクが漏れてインクの吸収体がいっぱいになったらしく、

Canonのカスタマーセンターに持って行って交換してください。」

という類のエラーみたい。

 

ここにCanonカスタマーサービス絶対ないでしょ….

 

 

思いつく限りのことを試しても直らない。

 

PC隊員の同期にも相談して色々調べてくれたけれど、結局交換の吸収パッドがなければ住んでる場所での修理は難しそう。

 

 

私の12千円が無駄なインク代として溶けた….

 

 

「途上国の病院に故障した医療機器が大量にあって、直されず使われていない」みたいな問題があるけれど、それはきっとこんな感じでみんな諦めるんだろうな、なんて思った。

 

 

直してもらう値段や手間を考えると、とりあえず今回は印刷屋さんに行った方が良い気がする。

 

 

めちゃくちゃへこむ

 

 

印刷屋さんに値段を聞きに行くとカラー12セディ、白黒11セディらしい。

(後日、嘘つかれてたことがわかり、カラー1枚1セディ、白黒1枚50ペセワだった)

 

3日目の研修資料分は親切な同期隊員が印刷&見学に来る人が届けてくれることになり本当に感謝。

 

 

それにしても足りない分の印刷代はある程度かかりそう。

 

 

 

なんだかものすごく勿体無い出費だらけだー。

 

 

加えて、「ご飯と飲み物」はやはり最重要事項のようで、研修について相談しに行くとどの上司に相談しても

「それで、ご飯と飲み物はどうするんだ?」

と言われる。

 

 

結局、この「ご飯と飲み物代」がネックになって「予算がない、研修が開催できない」というのを見ていると、援助団体が昔始めたであろう研修スタイルによる弊害だなと思う。

 

 

 

有名な援助団体主催の研修では(月額の固定給をもらっている仕事の範囲内であっても)講師は講師料、交通費、食事をもらい、参加者は交通費、食事をもらうらしく、結果として援助団体が絡まないような現地の教育委員会として主催する研修が開催できなくなってしまっている。

 

だからスポンサーを探す必要が出てきて、企業スポンサーをつけるとスポンサー企業の広告したい内容に引っ張られ、援助団体の進めようとしているプロジェクトに引っ張られ、という形になる。

 

他のスタッフの仕事内容を見ていると「教員向けの研修を開催する」「この教材を推進するプロジェクトを行う」というものばかりで、どこかしらの援助団体のバックアップがある。

 

 

そうなると、毎日の仕事が援助団体と学校の仲介やモニタリング業務ばかりになってしまい、(給料に追加でもらえるはずの講師料等が入らないので)自発的に行う仕事はよっぽど仕事へのやる気がある人しか取り組まず、援助団体系の依頼の業務がない日は時間を持て余しているように見える。

 

 

 

 

現状、参加する教員たちは食べるのに困るほど困窮していない中、学ぶことよりも目先の利益(ご飯やお金がもらえるか)を優先させてしまうようなスタイルは長期的に見てガーナの未来を思って援助している団体にとっても、ガーナの人たちの未来にとってもLose-Loseではないか、と感じる。

 

 

と書きつつ、現状では「ご飯と飲み物」なくして、研修は開催できない。

 

 

 

 

今回は交通費は学校に負担してもらい、その分食事は私が負担することにした。

(いつもいろんなところでご飯をもらってばかりなので、お礼も込めて。)

 

 

 

 

まあ、とりあえず準備の目処はついたので良しとしよう。