228日目 番外編活動【11】 日本の高校生とオンライン交流会(2021/09/14)
日本の高校生とガーナの高校生のオンライン交流会をしませんか?と再赴任した頃に依頼をもらってから約4ヶ月経過。
事前準備
日本側の学校とはオンラインで打ち合わせ。
ガーナ側の学校には事前に訪問して日程調整とプログラムの確認を実施。
所属事務所からの依頼で、事前に交流会の依頼レターをJICAから出してもらい、それを踏まえて所属事務所から学校に依頼レターを出してもらったのが1週間前。
にもかかわらず、前日に予定のリマインドをしに行くと、担当教員はプログラム自体があることを知らなかったし(前に話したのになー)、校長先生たちはすっかり忘れていたらしい(壁にプログラム予定は貼ってくれていたのになー)。
「テストで忙しくて忘れてた!
明日7時半から交流会な!生徒30人な!
集めとくわ!心配しないで!」
とそのあたりの臨機応変さはピカイチ。
ただ事前打ち合わせで
「パソコンもプロジェクターもWifiもある。任せとけー!」
と言ってたけれど、実際Wifiはルーターはあるけど繋がってない状態らしく、パソコン室の下見も担当教員が外出するから、とできず…。
もはや不安要素しかない。
というか、なんで日付の打ち合わせ段階で、大事なテスト最中の忙しいであろう日を選んだのか謎すぎる。
とりあえず、事前に自分のPCやJICAから借りておいたプロジェクター等で学校に物品がなくてもできるように準備をしておく。
加えて、ネットの接続不良で交流会が終了してしまった時用の日本の紹介動画をYoutubeで探しておいた。
当日
CPのアドバイスで8時15分~開始の予定を、7時30分~開始だとガーナ人達には伝え、予定通り準備が整ったのが8時で、8時過ぎに交流会がスタート。
約2時間の交流会。
さすが日本の学生は準備満端の紹介動画に対し、さすが即興&アドリブが得意なガーナの学生は即興で作ったスピーチを披露。
質問コーナーからディスカッションに移るはずが、質問が出すぎて質問コーナーだけで約1時間半が経過するという。
「どんな物を食べているのか?」
といった可愛らしい質問から、
「母国語(日本語)で勉強するメリットは何か?」
「日本の政治制度はどうなっているのか?」
といったシリアスな質問など、
いつも関わっている小・中学生とは違った質問が出てきて興味深かった。
日本語で全教科のことを習うのが当たり前な日本の学生からすると、きっと「???」な質問だっただろうけれど、ガーナの学生からすると「なぜ母国語でなく英語で全部の授業を受けるのか。母国語だったらもっと深く理解できるんじゃないか。」と思った節でもあるのかな、なんて考えた。
1つ印象的だったのが、
「日本のイメージって何?」という質問が日本の生徒から出たので、
「逆にガーナやアフリカのイメージは何かな?」と日本の生徒に聞いてみたところ、
「チョコレート!!」
と、返答が返って来る前に、ガーナの生徒が
「汚職でしょ…。」
と苦笑いしながら呟いてたこと。
たまたま、その夜Youtubeで見かけた動画で日本の政治家が話していたことが、なるほどなと思ったので載せておく。
「若者が政治に関心がないのを、いかにも悪いかのごときいう人たちがいっぱいいるけれど、間違っていると思います。政治に関心がないって言うのはそんなに悪いこっちゃありません。政治に関心がなくても生活できるくらい、いい生活してると言うことですから。アフリカに2年ぐらい住んでいたことがありますし、暴動が起きたらえらい騒ぎでしたし、他にも今、アフガニスタンに限りません。中近東等々でその辺でボール蹴っ飛ばして遊んでたらいきなり地雷踏んじゃって、っていうようなところに住んでる人。そういう所に産まれちゃった子は間違いなく政治に関心があります。嫌でも政治に関心がなきゃ生活できないから。だから、政治に関心が持たざるを得ない国にいるよりは、政治に関心がなくても生きてられる所にいる方がよっぽどいいです。」
正直、今回の交流会の依頼をもらった時、引き受けるか迷った部分があった。
自分達よりも明らかに恵まれた環境で生活している日本の子供達をみて、ガーナの子供達がどう思うんだろう?と思ったから。
「井の中の蛙、大海を知らず」という諺があるけれど、「井の中の蛙だからこそ得られていた幸せ」みたいなものを壊すことにならないか、と。
ただ、テレビやスマホが普及してきている今、違う国の情報はどんどん入って来るし、交流会を開催しなければ、その分子供達が学べた機会を奪っていることになる。
結果、子供達は2時間とても楽しそうだったし、日本の生徒達にもいい刺激になったようなので、開催できて本当によかったと思う。
交流会はガーナの停電で終わりを迎えるという、なんともアフリカっぽい締めで終わりました。